スポーツバイク初心者がやりがちな失敗とは?専門店の視点から解決策を徹底解説!

2025年4月21日by 三郷バイクプラス

スポーツバイクは、毎日の通勤・通学をより快適にしてくれるだけでなく、週末のリフレッシュや自然を楽しむ小さな冒険までも叶えてくれる、魅力にあふれた相棒です。軽快な走りとデザイン性の高さは、多くの人を魅了しています。

しかし、はじめての1台にワクワクする反面、スポーツバイクにはママチャリとは異なる知識や注意点も多く、初心者の方が不安を感じるのも無理はありません。実際、私たち専門店の現場でも、「失敗する前にお店に相談に来るべきだった...」というお声を数多く耳にします。

この記事では、 足掛け30年近くこの仕事の従事し、首都圏に6店のスポーツバイクショップを展開してきた私たちが、初心者の方がつまずきやすい“あるある”な失敗例をもとに、その背景と具体的な解決策を丁寧に解説していきます。

正しい知識を身につけることで、初めてのスポーツバイクライフはぐっと楽しく、そして安全になります。



サイズが合わないバイクを購入する

フレームサイズ確認

初心者が陥りがちなのが、実際に試乗せずに通販などで購入してしまい、サイズが合わないバイクを選んでしまうことです。適切なサイズでないバイクは、乗車中の不快感や膝、腰への負担を引き起こします。また、操作性が悪化し、長時間のライドでは疲労が蓄積しやすくなるため、楽しさを損なう原因にもなります。

中古車の購入やネット注文などでサイズの合わないものを買ってしまったというトラブルをよく耳にするようになりました。通常よりも余計な費用や手間がかかるケースも多く、手軽さや非正規の価格にはそれなりのリスクがあるので注意が必要です。

対策

  • 試乗を重視:購入前に専門店で試乗し、自分の体型に合ったフレームサイズを確認しましょう。

  • フィッティングサービスの活用:専門スタッフによるフィッティングを受けることで、より快適なポジションを確保できます。

  • 事前のリサーチ:サイズガイドやレビューを参考にして、自分の身長や股下に合うバイクを選びましょう。

バイクプラスのバイクフィッティングについて



装備を軽視する

サイクリング時の装備

初心者に多いのが、安全装備や適切なウェアの準備を怠ることです。ヘルメットを着用しなかったり、ライトなどを使用しないと事故のリスクが高まります。また、適切なウェアを用意しないことで、快適さが損なわれるだけでなく、体調を崩す可能性もあります。

街灯の少ない道などでは明るめのライトがあれば安心かつ安全です。特に川沿いでは周りに建物がないのでライトの光が反射しにくく、光が吸い込まれるようになってしまうのでとにかく光量が必要になります。あとはヘルメットやライトなどの装備がしっかりしているとちゃんとしている人ってイメージないですか?周囲の人達から、自分に対しても周りに対しても配慮があるイメージって大事ですよね。

対策

  • 安全第一の装備:ヘルメットや前後のライトを必ず用意し、夜間や薄暗い環境での視認性を確保しましょう。

  • 専用ウェアの着用:サイクリング専用のウェアは動きやすく、通気性や速乾性にも優れているため快適です。

  • 予備の装備:ライド中に備えて、予備のチューブや工具も携帯すると安心です。



メンテナンスを怠る・雑に扱う

空気圧チェック

バイクのメンテナンスを怠ったり危険を顧みず雑に乗車したり雑に扱ったりすると、ライド中のトラブルやパフォーマンス低下の原因になります。タイヤの空気圧チェックやチェーンの注油を忘れることで、走行が重くなり、パンクや故障のリスクも高まります。

「空気入ってるっぽいし、まぁいいか」とサイクリング出かけた時に限ってパンクをしたことがあります(涙)。パンクの原因の8割は空気圧が足りていないことで起こっている!!という話もあります。コンディションを保つことであらぬトラブルを防ぐことができるので、しっかりと準備をしましょう。

対策

  • 定期的な点検:乗車前にタイヤの空気圧やチェーンの状態を確認しましょう。

  • 適切な注油:チェーンに適したオイルを使用し、錆を防いで滑らかな走行を維持します。

  • プロのメンテナンス:定期的に専門店でプロによる点検を受けることをおすすめします。

フレンチバルブの空気の入れ方



サドルの高さを調整しない

サドル高の確認

サドルの高さが適切でないと、ペダリングが非効率になるだけでなく、身体にさまざまな負担を引き起こします。例えば、サドルが低すぎる場合は、膝が過度に曲がり、膝関節に負担がかかることがあります。一方で、サドルが高すぎると、脚を伸ばしきらなければならず、腰や臀部、さらにはハムストリングスにも過度の緊張をもたらします。

快適なサイクリングは適切なポジショニングから!膝や腰のダメージにもつながりますし、乗り降りの仕方にも影響があるので、自分では分からない…という場合には是非ご相談ください!

対策

  • 適切な高さに調整:サドルの高さは膝が軽く曲がる位置に調整しましょう。

  • 専門店での相談:自分で調整が難しい場合は、専門店でアドバイスを受けると安心です。

  • テストライド:調整後に短距離でテスト走行を行い、最適な高さになっているかを確認します。

 



操作方法を理解しないで遠出する

シフトチェンジの方法

初心者に多いのが、シフトチェンジやブレーキ操作に慣れないまま長距離ライドに出てしまうことです。シフトチェンジの基本を知らないと、登り坂ではギアが重すぎて足が止まってしまったり、平坦な道でも必要以上に体力を消耗してしまうことがあります。また、ブレーキ操作に慣れていない場合、急ブレーキをかけすぎてタイヤがスリップしたり、後輪が浮いてしまい転倒するリスクが高まります。

たかが自転車と思わず、やったことのないスポーツを始めたという感覚でまずは練習をしてみましょう。上手くコントロールできるようになるとより快適に過ごせるようになります。

対策

  • 近場で練習:初めは近場で練習し、シフトチェンジやブレーキの感覚に慣れましょう。

  • 講習会参加:専門店の講習やオンライン動画を活用して基本を学ぶのもおすすめです。

  • 段階的なステップアップ:平坦で短めのコースから始め、徐々に難易度を上げていくのが理想的です。

初心者講習会のご案内
ロードバイク用Shimano STIレバーの使い方(動画)



服装選択をミスる

サイクリングウェア

普通の服で走行すると、適切な体温調節ができず、暑さや寒さで快適さを損なうことがあります。例えば、夏場は通気性の悪い服を着ることで汗がこもり、熱中症のリスクが高まります。一方で冬場には防寒対策が不十分なため、寒さによる体力の消耗や筋肉の硬直が起こることがあります。また、摩擦による肌の擦れや汗の吸収が不十分なために、皮膚トラブルを引き起こすことも少なくありません。こうした不快感やリスクを避けるためには、適切なウェア選びが欠かせません。

夏場に標高の高い場所でヒルクライムをした際に、山頂の気温が5℃ということがありました。ロングライドなどでも天候の変化があるので必要に応じてパッカブルのウィンドブレーカーを持ち運ぶようにしています。

対策

  • 専用ウェアを選ぶ:サイクリング専用のウェアは、吸湿速乾性や防風性に優れており、快適さを向上させます。

  • 季節に合わせた選択:夏は通気性の高いウェア、冬は防風防寒性能のあるウェアを使用しましょう。

  • 追加装備:防寒用のアームウォーマーやレッグウォーマー、ベストなどを持参することで、急な気温変化にも対応できます。

 



水分補給を侮る

ライド中に水分補給を怠ると、脱水症状やエネルギー切れを引き起こすことがあります。脱水状態ではパフォーマンスが著しく低下し、疲労が増すだけでなく、集中力も鈍りやすくなります。特に夏場は発汗による水分と塩分の喪失が激しく、熱中症のリスクも高まります。一方で冬場でも水分補給を怠ると、体温調節が難しくなり、寒さから体が硬直することがあります。水分補給は、季節を問わずライド中のパフォーマンスと安全性を維持する鍵です。

一気に多めに飲んでも吸収されないので効果はありません。喉の渇きを感じた時点でタイミングとしては遅いので、こまめにちょっとずつ飲むのがコツです。

対策

  • 定期的な補給:少なくとも1時間ごとに200ml以上の水分を摂取することを心がけましょう。

  • スポーツドリンクを活用:汗で失われる電解質を補うために、スポーツドリンクや電解質飲料を選びます。

  • ボトルの活用:ボトルケージに専用のボトルを用意し、手軽に補給できる環境を整えましょう。

 



長距離を無理に挑戦する

ロングライド

初心者にありがちなのが、自分の体力や経験を無視して、過剰な距離や難易度の高いルートに挑戦してしまうことです。体力が追いつかず、途中で動けなくなったり、無理なペースが原因で筋肉痛や関節痛が生じることがあります。特に登り坂が多いルートや、長時間走行が求められるコースでは、体力と技術が伴わない場合に大きなストレスを感じることになります。また、無理な挑戦が原因で事故や怪我を引き起こすリスクも高まります。一度苦痛な経験をすると、サイクリング自体への興味を失うきっかけになりかねません。適切な計画とペース配分を考えることは、初心者が楽しく続けるための重要なポイントです。

自分を過信して遠出をした際に、行った先で動けなくなり、最寄りの自転車屋さんで輪行袋を買って電車で帰ってきたことがありました…。慣れないロングライドでお尻が猛烈に痛い!!というのもあるあるです。自分のできる範囲を把握しておきましょう。

対策

  • 短距離から始める:初めは平坦な短距離コースを選び、徐々に距離を伸ばしていきましょう。

  • ルートの選択:登り坂が少なく、初心者向けのコースを事前に調べておくと安心です。

  • 計画的な休憩:長距離ライドでは適度な休憩を取り、体力の回復を図ることが大切です。

ロングライドのコツと心得



サイクリング中の栄養補給を軽視する

補給食

特に長距離ライドでは、体内のエネルギー源である炭水化物(糖質)が枯渇しやすいため、消化の良いエネルギージェルやバーが有効です。消化しにくいものを食べると、すぐにエネルギー変換できないだけでなく、消化にかかるエネルギーで体力を奪いかねません。

普段の食生活も大事ですし、“お腹が空いた” “喉が渇いた”という時点ですでにタイミングとしては遅いと言えます。「飲食店があったら入ろう…」と思わず、早め早めのエネルギー補給が肝心です。

対策

  • 適切な補給品を準備:エネルギーバーやジェルなど持ち運びやすい食品を選びましょう。

  • ライド前の食事:少なくとも2~3時間前に米や麺類、パンなど炭水化物中心の軽い食事で、エネルギーを蓄えておくことが重要です。

  • タイミングを見計らう:ライド中は1~2時間ごとに補給し、体力の消耗を防ぎましょう。

  • 水分と組み合わせる:スポーツドリンクや電解質を含む飲料で、塩分などのミネラルの補給を併せて行います。



天候を考慮しないで出発する

天候の変化を予測せずに出発すると、急な雨や風に対応できず、危険な状況に陥る可能性があります。特に初心者は天候がサイクリングに与える影響を過小評価しがちです。雨が降ると路面が滑りやすくなり、ブレーキの効きが悪くなることもあります。また、強風はバランスを崩しやすく、特に横風が強い場合は転倒のリスクが高まります。さらに、気温の急激な変化に対応できない場合、暑さや寒さによって体調を崩すことも考えられます。これらのリスクを回避するためには、事前の準備と計画が欠かせません。

ツーリング中に峠を越えたら雨が…。山の天気は変わりやすく、走る道の前後で全く景色が違うなんてこともよくあるパターンです。ロングライドなどではそもそも出発地点から離れるので、行く先の天気も要チェックです。雨雲レーダーなどを利用するのもアリですね。

対策

  • 天気予報を確認:出発前に必ず天気予報をチェックし、予測される気象条件に合わせた装備を準備しましょう。

  • 雨具や防寒具を携帯:雨が予想される場合は、軽量なレインジャケットやウィンドブレーカーを常備すると安心です。

  • ルートの変更を検討:天候が不安定な日は、短距離や安全なルートを選ぶことを検討してください。

  • 途中での休憩を計画:天候が悪化した場合に備え、避難できる場所や途中での休憩ポイントを確認しておきましょう。

 



まとめ

スポーツバイクは初心者にとって新しい挑戦や楽しさを提供してくれる素晴らしいツールですが、その分、最初のステップでつまづきやすいことも事実です。この記事で紹介した失敗事例とその対策を知ることで、初心者でも自信を持ってスタートを切ることができます。

まずは、自分の体に合ったバイクを選び、基本的な操作や装備について正しい知識を身につけましょう。また、メンテナンスや栄養補給、安全装備などを怠らないことが、長く楽しいサイクリングライフを送る鍵となります。

そして何よりも、無理をせず、自分のペースで楽しむことを忘れないでください。サイクリングは体力を鍛えるだけでなく、新しい景色や人との出会い、リフレッシュの機会を提供してくれます。正しい準備と知識を持って、あなたのサイクリングデビューを成功させましょう!

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